「老人を1人亡くすことは、図書館をひとつなくすことだ」
そんな意味合いのことわざが、どこかの国にあるそうです。
昔から、早くおばあさんになりたくて、ずっとずっと大好きなおばあさんのノートを作っています。
ターシャ・テューダーさん
ベニシア・スタンリー・スミスさん
村岡花子さん
石井桃子さん
熊井明子さん
田村セツコさん
そんな方たちの切り抜きをたくさん貼り付けたノートは、私の宝物です。
元気がないとき。
気分が上がらないとき。
生き方に迷ったとき。
このノートを開いて、ここに挙げた方の本を読むと、自然に笑顔になれるのです。
いつもそんな「嬉しい」のお裾分けをいただく本の筆頭はなんといっても田村セツコさん。
田村セツコさんの名を初めて知ったのは、おちゃめなふたごシリーズ。大好きなイザベルとパットがクレア学院の制服を着た可愛いイラストに、小さくローマ字で「SETSKO」とハートマーク付きのサインが入っていましたっけ。
イラストをマネをしてノートに書いたこともありました。ぜーんぜんうまく描けなかったけど……。
それと時を同じくして、サンリオのいちご新聞で出会ったHAPPYおばさん。
「あ!おちゃめなふたごの人の絵だ!」と嬉しくなったのを覚えています。
当時、近所にできたばかりのジャスコ(今はイオンですね!)の中にサンリオショップがあり、訪れるたびに、キティちゃんやキキララちゃんよりも、いちご新聞を欲しがる、奇妙な子どもでした。
時は流れ、その田村セツコさんが本を出版されていることを知り、懐かしい気持ちで手にとれば、そこにはなんとも可愛い田村セツコさんが!年齢を知って更にびっくり!
おばあさんと呼ぶにはあまりにキュートな風貌と、イラストの期待を裏切らないおちゃめさに、一気に大好きになったのです。
しっとりと落ち着いた感じのおばあさんも素敵ですが、好きを貫く姿勢の一貫性に思わず拍手!
更に現役のイラストレーターでいらっしゃり、第一線でご活躍中。黒柳徹子さんとのコラボ企画は、涎ものの可愛さでした。
最近は、ご高齢の方でも本当にお元気で、ご自身のスタイルを貫きながらお仕事もして・・・・・・。なんて方が増えていますね。けれど、田村さんは「どーだ!私、かっこいいでしょ!」みたいな感じが全くなくて。むしろ、「あら?私でいいの?」みたいな感じがなんとも素敵だなぁと感じています。
可愛くて、おちゃめ。そのことを貫くと、こんなに素敵なおばあさんになれるんだ。
大好き!を貫くことって、きっときれいごとばかりではない。大好きなイラストを仕事にした田村セツコさんも、駆け出しのころには辛い思いをしたり、スタイルが確立されていらっしゃる田村さんだって、好きな服と年齢のギャップを変な目で見られたこともあるそう。
けれども、ケセラセラと笑ったり、セ・ラ・ヴィ~それが人生~と肩をすくめたり。
田村セツコさんの歩んできた人生そのものが、分厚い物語の一冊のようなもの。
終わらないでほしい、ファンタジーでもあるのです。