―stay at home―
今や、世界の合言葉になったこの言葉「家にいろ」。
週末にかけて外出の自粛要請が出るのでは?と報道されてから、スーパーの棚からインスタントラーメンや缶詰が消えました。
マスクが消え、トイレットペーパーが消え、インスタントラーメンが消え、次は一体何が消えるのだろう?お肉やお魚を冷凍するために、生鮮食品も消えるのでしょうか?
この数か月の情勢の変化に、心が疲れていらっしゃる方も多いのではないでしょうか?
そんなことを言っている場合じゃない。世界は今、緊迫した状況に置かれていて、ウィルスが勝つか、人類が勝つかという戦いの真っ最中なのだ。という意見も、もちろんよくわかるのです。
こんな時、いつも思い出すのは、夏目漱石の草枕。冒頭部分にあるこの言葉。
―人の世を作ったのは神でもなければ鬼でもない。やはり向こう三軒両隣にちらちらするただの人である。ただの人が作った人の世が住みにくいからとて、超す国はあるまい。あれば人でなしの国に行くばかりだ。人でなしの国は人の世よりもなお住みにくかろう―
色んな人がいます。たくさんの人で、世界はできているのだから。
コロナで休校になった時のことです。
公園で遊んでいる子どもたちを見て学校に通報する人。
学校の先生方に見回りを要請しチェックを強要する人。
「こんな休校、おかあさんはたいへんやねぇ」と言って、少しマスクを分けてくれた人。
子どもたちが花粉症なのにマスク不足はたいへんだろうと、手作りマスクを作ってくれた友人。
どちらの生き方を選ぶも、それは自分次第なのだと、生き方の岐路に立たされたような今回のコロナ騒動。
ストックがあるのに、買いだめする精神と、ストックはあるから、他の人に回るようにと並ばない精神と。
どちらの生き方を選んだって、「じゃない方」からは非難されるでしょう。だったら、心に正直に、なりたい自分になればいい。
台風で大きく折れてしまった近所の公園の桜の木が芽吹くのを見て、春は来る。いつか来る。そう思わずにはいられないと感じた、3月の暮れです。
家から出られない今だからこそ、本を読みたいなぁと思っています。ただ、私にとっての本の森(図書館)が休館なのが、なによりの痛手なのです。自分の読書欲を本屋で満たしていたら破産するので、この春は再読の春と題し、気分に沿う本を蔵書から選らび、今読んでいる本の棚に並べておきます。ちなみに【ゆかいなホーマーくん】は息子が今読んでいる本です。
ファデットという何とも魅力的な少女の本【愛の妖精】を書いたのは、1800年代にフランスで生まれたジョルジュ・サンド。ショパンの恋人です。この本を読むときは必ずフジコ・ヘミングさんのショパンを聞きながら。
そういえば、ジョルジュ・サンドは男性の恰好をしてパリを歩き、周囲を驚かせたのだとか?男装の麗人でもあったわけですね。いつの時代にも強く、自分らしく生きた女性はいるのだと、強い勇気を貰えます。
―stay home and read books―
皆さんも是非。