· 

ー心に箒を携えてー

日に日に緑が濃くなり、吹く風に初夏のにおいがします。

皆さん、いかがお過ごしですか?
ゴールデンウィークを、家で過ごし、本当にかたっぱしからお片付けを実行しました。

もう、この際だから、「どこを、誰に見られても、大丈夫なようにしてやる!」と半ば殺気だった気合を入れて、家人も話しかけられないような雰囲気を醸し出し、ただひたすら、頭と体を動かして。

溜まっていた雑誌を、必要なところだけスクラップして捨てる。内容で分けて資料に整理することで、頭の中身も整ってすっきり。

やっぱり、整理整頓や掃除の力って凄いですね。毎日目にするものや、その日に起こす行動が、自分自身をつくっているのだなぁと、改めて感じました。


さて、突然なのですが、皆さん「手芸」はお好きですか?
私、梨田は、もう、壊滅的に苦手なのです。

編みもの、縫い物、ちょっとしたボタンつけ、更には学校の雑巾作りまでも、もう、やらなくてすむなら、ご勘弁願いたい。
そこだけは、本当に、ドラえもんがいて欲しいと言うほど苦手なのです。

けれど、子どもって好きですよね?
今、時間がたっぷりあるのをいいことに、牛乳パックと割り箸で作る、マフラー作りにハマっているんです。

その隣りで、なんとなく手を動かしていたら、ふとこんなものができたんです。
割り箸の余り、毛糸の余り、麻紐の余りで魔女のほうき。
もう、無心に手を動かしていたら出来たので、自分自身もびっくり。

でも、どうして魔女のほうきだったのだろう?ほうきを作ろうと思ったわけではありません。

けれども、魔女のほうきは、私にとって自由と自立のシンボルでもあるのです。

お城に囲われて生きるお姫様の物語には、一切惹かれなかった子ども時代。好きな物語には、いつも魔女がいました。

魔女は、いつも、自分自身で精一杯生きていて、自分の足で立っている。

ほうきはその象徴に思えたのです。

もちろん、現実には、好き勝手な自由は許されないかもしれません。社会で生きるには、しがらみだってあります。

けれど、心は自由です。頭の中も自由です。

だからいつも、心に魔女のほうきをたずさえて。いつだって飛び立てるように準備をする。

なんだか、自分の中から、そんな風な無言の言葉が、魔女のほうきになってあらわれた。そんな気がして仕方がなかったのです。

この、緊急事態宣言後、コロナ後の世界は必ずやってくるのです。

やってくるその日のために、目の前の不安に蝕まれることなく、ほうきで飛び立てる準備をする時期なのかもしれませんね。