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人生を肯定するチカラ


突然ですが、皆さん。
自分の性格って良い方だと思いますか?

私はと言えば、答えは「うーん……」です(笑)。

めちゃくちゃ意地悪か?と聞かれたらそうではありませんが、腹の立つ人はやっぱりいます。

そんな人に対して何かをしようとは思いませんが、嫌なことをされたら「おい!ちょっと待たんかい!」と言えるくらいの心構えはある(笑)。といったところ。

でも、腹の立つ人に意地悪してやる!とかは思わないし、そんな人がいても流します。「そんな人もいるよね〜」くらいのスタンス。

まぁ、仏の心も持ち合わせていませんが、心を鬼に喰われることもない。

そこそこいい人。

と言う具合かな?

さてさて、そういえば児童文学の登場人物の中にも、嫌なやつっていますよね。

ぱっと思い浮かんだのが、

【小公女】のミンチン先生。
【ハリー・ポッター】のマルフォイ。
【ハイジ】のデーテ。

ミンチン先生は、セーラにお金がなくなると手のひらを返したように冷たくなりましたし、マルフォイは、登場から嫌なやつ。ハリーとは敵同士なんです。きっと一生(大人になってからは少し違いますけど、でもお互い好きにはなれないんですよね)。

デーテなんて、ハイジに嘘をついて町につれて行き、ゼーゼマン家に放り込むんですよ!もぅ、大っ嫌い。そのおかげでハイジの心は病んでしまい、夢遊病にまで……。

そうそう。先日読んだ【クロリスの庭】にも嫌なやつが出てくるのです。

それは、主人公の西野風一さんがはじめに勤めていた花屋の従業員たち。

西野風一さんは、まぁ、要領がわるくてお店のやっかいものなのですが、でも一生懸命。

遅いけど、一生懸命。
トロいけど、一生懸命。

もちろん、西野風一さんを応援したくなるってものです。

でも、まてよ……。
私、もしかすると、現実世界では従業員の気持ちもわからなくもないのかも。

だって、実際の仕事場にはいるものね。
何度言っても同じ失敗繰り返したり、何度やってもうまくいかない人。

私はとってもせっかちなので、きっときっと、現実世界の西野風一さんは、嫌いじゃないけれど、イラっとする人なのかも。

でも、私だって広くて寛容な仏の心を持ちたいと思っています。西野風一さんの味方でいたい。いや、本当は児童文学の主人公になり得るくらいだもの、西野風一さんみたいになりたい。

 

そう。

児童文学がかけてくれる魔法って、じつはここにあるんです。

 

「このままでいいんだ」

「このままがいいんだ」

 

そんな風に思えること自体が魔法なんです。

 

自分の人生を肯定するチカラが、児童文学にはある。

私が皆さんに児童文学をおすすめするのは、このチカラを思い出してもらいたいからかもしれません。