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ラベンダーに恋焦がれ①

今日も朝からしとしと、雨が降っています。

 

皆さんがアン・シャーリーという赤毛の女の子に出会ったのは、いくつのときでしょうか?

 

プリンス・エドワード島に思いを馳せ、心ごとグリーン・ゲイブルズに住んでいたあの頃、私は確か10歳。

 

こんな世界があったのか!と、物語を読み終えては、またはじめから開く。何度だって同じところで笑い、感動し、そして涙を流す。

 

アンと一緒に成長した気分になり、虚栄心の果てに緑の髪になったアンにまで憧れたあの頃。いつも心にはアンがいて、一緒に笑い合ってきたような気がしています。

 

アンのシリーズにはたくさんの木や草花が登場し、聞いたこともない花にまた思いを馳せ、いつかこの目で見てみたい!と乙女心に誓った日々。

 

そんな花の代表作がラベンダーでした。

 

「ラベンダーっていったいどんな花なんだろ?」

「いったいどんな香りがするんだろう?」

 

古い和風の家で育った私は、玄関には大きな松の木とカエルの置物。 香りのするものと言えば、牛乳石けんか古いタンスの樟脳の匂い(笑)。押入れのある部屋に住みながら、一生懸命にまだ見ぬ花を想像しました。

 

想像して想像して想像しても、資料がないので絵が浮かびません。今のようにすぐにネット検索なんてできませんから、それでも想像するしかありませんでした。

 

まだ小学生だった私は、図書館に入りびたりながら、物語の世界に没頭しすぎてラベンダーの資料を探すなんてことにはたどり着かなかったんですね。

 

折しも世はポプリブーム。ポプリの事が様々なインテリア雑誌などに掲載されている事だけは知っていた私は、駅前の本屋さんでインテリア雑誌を立ち読みしては、ラベンダーを探し続けましたっけ。

 

なぜ、こんなにラベンダーに恋い焦がれたって?それはもちろん、彼女のせいです。この想いは、アンシリーズの第二巻【アンの青春】に登場するミス・ラベンダーへの憧れそのもの。

 

シリーズを通して、ほんの少ししか登場しないミス・ラベンダー。ですが、アンシリーズを好きな方は、必ず好きと言っていいほど、愛されているのがミス・ラベンダーですよね!

 

 

―「まるで、魔法の森を歩いているようだわ。まだ、もとの世界へもどれると思って、ダイアナ?もうじき、魔法にかけられたお姫さまのいるお城に出ることよ。」―

 

 

そんな予感からはじまるミス・ラベンダーとの出会い。

アンとダイアナは森の道に迷い、進み出た場所が、ミス・ラベンダーの住む【山彦荘】だったわけです。

 

 

―「まるで物語の本か夢の中からぬけ出したようじゃないの。」

 家は軒が低く、みがきのかけてない赤い砂石でできていた。とがった屋根から屋根窓が二つのぞき、古風な木のひさしが出ていた。太い煙突も二本見え、家全体にからんでいるつたは、霜のために青銅色やぶどう酒のような赤色に紅葉していた。―

 

 

「なんて素敵な家!蔦の絡んだ家に住むのが私の夢なのよね!」

小学生の私は鼻息荒くこの章を読み、一気にミス・ラベンダーに恋をしたのです。

 

長くなりそうなので、続きはまた次回。

皆さま、素敵な一日を!

 

 

アンの青春

モンゴメリ 原作

村岡花子 訳

ポプラ社 発行

上記の写真↑アンの本の後ろに、そっと隠した本、気になるでしょう?

大好きな作家、熊井明子さんの小学館ミニレディシリーズなんです!それについては、また今度・・・・・・。ふふふ。