ぱらぱら。
かさかさ。
とん。
ことり。
ただ手帳をひらくその音に、ふっと肩のチカラが抜ける。
柔らかい、クリーム色の投稿に、ふわりと風が吹き抜ける。
手帳という森の木にちょこんととまるヤマドリさんに、ほわっと笑みがこぼれる。
お正月には薄かった手帳が、ぶわっと膨らみ始めているのを見て、花を咲かせる前のつぼみを思い出す。
@yacoeno さんの場所は不思議な場所です。
インスタグラムという、現代の文明を使った場所なのに、なんだかアナログの匂いがする。
YouTubeという、最新の動画サービスなのに、なんだか古い映画館にフィルム映画を観に来たような気分をくれる。ポップコーンがないのが不思議なくらい。
能率手帳
モレスキン
ほぼ日手帳
マイブック
トラベラーズノート
手帳好きなら、一度は聞いたことがあるものばかり。
この手帳たちってたぶん「その人」が「その人」色に染めやすいから、こんなにも使っている人が多いのだろうな。
手帳をのぞき見するのは愉しい。
すこぶる愉しい。
本棚を見るのと同じくらい愉しい。
でも、自分のはみせたくない(笑)。
そう思うのって私だけじゃないはず。
ヤコエノさんのインスタグラムでは、時折ヤコエノさん自身のイラストが見られる。
これがまた、とっても楽しい。
ダンスクのお鍋が届いた日には、「ダンスク♪ダンスク♬」とうたっちゃう。
minneで時折発売される、小さなヤマドリさんはいつもずぐにどこかに旅立っちゃう。
ヤコエノさん。魔女に仕えるヤマドリさんっていないのかしら?
ヤマドリさんは、誰かに仕えたりしないのかな?
手帳にも、物語があるってヤコエノさんに教えてもらった。
物語が生まれる場所は、何も本ばかりじゃない。
インスタグラムにだって、YouTubeにだって、物語はある。
字で書いて無くたって、物語は生まれる。
そう、手帳をパラパラめくる音だけでも。
そうそう。ヤコエノさんと言う不思議なお名前、実は旧姓に因んでいるとか……。
名前の向こう側にある、ヤコエノさんの過去に想いを馳せるのも、また物語だと思う。